本日、11月20日は父の命日。
亡くなってから20年以上経ちました。父 は私たち兄弟と遊んだりすることはなかったけれど、いろんな経験をさせてくれました。
母も父 も全く楽譜は読めません。ちなみに私の兄たちも全く読めません(笑)両親は音楽にもあまり興味がなかったのかな…。それでもいろんな経験をさせてくれて、いろんなアドバイスをしてくれました。
そんなアドバイスの中で一番、心に残っているのは父 のアドバイス。
ホテルのチャペルでオルガンを弾いていたころの出来事です。
本番前に必ずリハーサルをするのですが、本番で新婦とお父様の歩くスピードが、リハーサルのときと違って猛スピードになってしまいました。(多分、お父様が緊張されていました。)
オルガンはお客様に背を向けて演奏するため、リハーサルではどれくらいで曲を弾き終わらせるのか確認をし、本番は譜面台にミラーを置いてちょこちょことミラーを見ながら、曲の終止を考えます。
リハーサルと歩くスピードが違く速かったため、ミラーで確認もできず…難しかった。ミスをしてしまいました。クレームにはならなかったけれど、この世の終わりくらいに落ち込んでしまいました。そのことを父 に話したところ
「京子は音楽を楽しんでいないね」とポツリ。
もちろん、結婚式ですし、プロのオルガニストとして弾いているのでノーミスは基本ですが、その頃は、音楽を楽しむことを忘れて、そんなことばかり考えて頭カチカチなって仕事をしていました。そしてハッと我に返りました。
音楽は楽しまないと!!
今でも自分の演奏が思うようにいかなかったときや生徒さんが上手く弾けずに悩んでいるときは、父が言った「音楽を楽しんでいないね」を思い出して、一度立ち止まるようにしています。
音楽を楽しまないとね!
演奏している自分が楽しくなければ、まわりに音楽の楽しさは伝えられないのです。
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